トクシマコバイモ(徳島小貝母)

Fritillaria tokushimensis


トクシマコバイモ1

  • 科名・属名 : ユリ科 バイモ属

  • 特徴 :
     草丈10〜20cmの多年草。
     葉は披針形〜広線形で、長さ3〜6cm。下の葉は対生し、上部では3輪生する。
     花は茎頂に1個下向きに咲き、白色で筒状鐘形で、長さ約1.5cm。花被片には網目状の斑紋があり、外面には突起がある。葯は紫色。

  • 分布・生育地 :
     四国(徳島県)  山地の林下

  • 花期 :  4月

  • 撮影月日・場所 :
     2012年4月13日  徳島県
     中、右下・葯 2009年4月25日    同  上
     左下・花 2012年4月13日    同  上

  • 撮影記 :
     日本にはコバイモと名のつく花が7種類あり、イズモコバイモを撮影した時、これで全種類を撮り終えたと思っていた。ところが、その後この花が新たに記録され全8種となったため、また宿題ができた。
     いろいろな情報からこの花の生育地は判明したものの、やっと2009年、現地を訪れることができた。
     午前中の雨は上がったものの、風が強く防寒具なしでは寒さが身にしみる夕方の林下、尋ねてくるの待っていたかのようにわずか数輪咲き残っていた。
     残念ながら、花期が遅いため子房は膨らんでいるが、紫色の葯の様子はわかった。
     その後、もう少し早い時期に出かけたが、びっくりするほど多くの株があった。
     この花、アワコバイモトサコバイモの雑種という考えもあるように、花の形はトサに似るが、アワのように花被片の外側、肩の部分に突起があり、葯は紫色でトサに近い。
     しかし、この自生地にはアワもトサも生育せず、かりに雑種であるとしても、どんな経過を辿ったのだろうと想像は尽きなかった。

  • 葯

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トクシマコバイモ2

花