ヒメハシゴシダ(姫梯子羊歯)

Thelypteris cystopteroides


ヒメハシゴシダ

  • 科名・属名 : ヒメシダ科 ヒメシダ属

  • 特徴 :
     草丈5〜15cmの常緑性シダ。
     根茎は長く匍匐し、疎らに鱗片をつけ、間隔を置いて葉をつける。
     葉は2回羽状浅裂〜深裂、葉身は長楕円形〜広披針形で先は鈍頭〜鋭頭、長さ(2.3-)4.8〜7.7(-9.7)cm、幅(0.8-)1.2〜2(-3)cm。側羽片は広卵形〜三角状卵形、(5-)6〜9(-12)対あり、長さ(0.2-)0.4〜0.8(-1.4)cm、幅(0.2-)0.4〜0.6(-1)cm。裂片は卵状長楕円形〜長楕円形、先は円頭〜鈍頭、縁は全縁〜波状縁。質は草質〜柔らかい紙質、淡緑色、全体に半透明の単細胞毛がある。
     葉柄は淡緑色で基部は褐色を帯び、長さ(0.8-)2.6〜6.1(-8.7)cm。鱗片は基部のみあり、茶褐色で三角状披針形で早落性。毛は半透明の多細胞毛がある。
     胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間〜やや辺縁寄りに1〜4個つき、楕円形〜円形で径0.6〜0.7(-0.8)mm。包膜は円腎形、表面は半透明の半細胞毛がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(伊豆半島以西)〜沖縄(沖縄島以北)(国外:中国(南部)、台湾、フィリピン)
     林下、林縁の草地

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2007年6月9日  鹿児島県奄美大島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢群    同  上

  • 撮影記 :
     奄美大島のその沢はこの島の特産種が多く、沢沿いの岩壁にアマミカタバミコケタンポポなどが見られ、予定時間をかなりオーバーした。
     その上、撮影をし始めたシダ類も色々な種類が見られ、花仲間に少し待ってもらって急いで撮影した。
     沢沿いの岩場に生えていた小さなこのシダ、その後林縁で撮影したコハシゴシダよりもはるかに小さく、羽片が円みを帯びている違いがよくわかった。

  • その他のシダ
胞子嚢群