ハマホラシノブ(浜洞忍)

Sphenomeris biflora


ハマホラシノブ1

  • 科名・属名 : ホングウシダ科 ホラシノブ属
     注.属名(Sphenomeris)は新大陸固有で、分子系統解析の結果では、旧大陸のホラシノブ属の学名は(Odontosoria)と分けられている。

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの常緑性シダ。
     根茎は短く匍匐し、褐色で光沢のある鱗片をつける。
     葉は3回羽状複生、葉身は卵形〜長卵形で先は鈍頭〜鋭尖頭、基部が最も幅広く、長さ(12-)15〜20(-22)cm、幅(7.1-)8.8〜12(-14)cm。側羽片は広披針形で柄があり、長さ(3.2-)4.5〜6.5(-7.3)cm、幅(1-)2.2〜3.5(-4.2)cm。小羽片はやや広いくさび形、長さ(0.8-)1.1〜1.7(-2.3)cm、幅(0.3-)0.6〜0.9(1-1.2)cm、先は円頭〜鈍頭、辺縁は全縁。質は革質でやや多肉、黄緑色で無毛。
     葉柄は黄緑色〜赤褐色、長さ(6.2-)11〜15(-19)cm。鱗片は基部のみあり、披針形で褐色であるが、早落性。
     胞子嚢群は羽片の先端、葉縁に沿ってやや長く伸び、ポケット状、包膜はやや厚く、卵形。

  • 分布・生育地 :
     本州(茨城県以西)〜沖縄、小笠原 (国外:中国、台湾、ベトナム、フィリピン)
     海岸近くの地上、岩間

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2007年10月28日  沖縄県名護市
     中・全体2 2007年11月4日  静岡県下田市
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・胞子嚢群 2007年10月28日  沖縄県名護市

  • 撮影記 :
     ホラシノブの仲間は何種かあるが、海岸近くの比較的日当たりのいい岩の隙間や崖地に生え、革質でやや多肉であるのが本種の特徴である。
     他にも最下羽片が短くならず、最も幅広いという違いもある。
     沖縄に出かけた際、海岸際の崖地に生えているのを初めて撮影した(上の写真)。後ろにホソバワダンの葉が見える。
     沖縄八重山諸島には、ホラシノブヒメホラシノブとの雑種やそれに由来する種がいくつかあるようで、同定は難しそうだがチャレンジしてみたい。

  • その他のシダ
ハマホラシノブ2

胞子嚢群