スズサイコ(鈴紫胡)

Cynanchum pycnostelma


スズサイコ1


  • 科名・属名 : ガガイモ科 カモメヅル属
     注.APG分類では、キョウチクトウ科(APOCYNACEAE)、カモメヅル属(Vincetoxicum)、学名(V. pycnostelma)

  • 特徴 :
     草丈40〜100cmの多年草。
     茎は硬くて細く直立し、地下に多数のひげ根がある。
     葉は対生、葉身は長披針形〜線状長楕円形、長さ6〜13cm、幅0.4〜1。5cm。先は尖り、縁は全縁。質はやや厚く、無毛か表面の縁に短毛があり、無柄。
     花は茎頂や上部の葉腋から2〜3cmの花序軸を出し、直径1〜2cmの花を集散状にややまばらにつける。花柄は細く、長さ1〜1.5mm。花冠は黄褐色、裂片は開出し、長さ5〜8mm。副花冠は直立し卵形、鈍頭で雄しべより短い。萼裂片は三角状披針形。花は早朝に咲き、日が当たると閉じる。
     果実(袋果)は細長い披針形、長さ5〜8cm。種子は卵形でやや翼があり、長さ4〜5mm、先に白い長毛がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国)
     山野の日当たりのいい草地

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1988年7月10日  高知県高知市
     中上・全体2 2019年8月31日    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序 2005年8月21日  愛知県新城市
     中下・花 2019年7月13日  大分県飯田高原
     左下・果実 2013年9月16日  広島県東広島市
     右下・葉 2019年7月13日  大分県飯田高原

  • 撮影記 :
     早朝辿りついた高知市の山の草地、ササバランを探しているときこの花を見つけた。
     後で撮影すればいいやとラン探しを続け、日が当たり初めてから見つけた場所に戻ると、花は閉じ始めていてあわてて撮影した。
     この花のように日が当たると閉じる花や、逆に夕方にならないと咲かないミズオトギリアブノメなど、どんな理由かわからないが、いろいろ特色がある花があって面白い。
     和名の由来は鈴のようなつぼみと草姿がミシマサイコ(三島紫胡)(セリ科)に似ていることによる。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
スズサイコ2

花序

花

果実(袋果)