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- 科名・属名 : ゴマノハグサ科 サギゴケ属
注.APG分類では、サギゴケ科(MAZACEAE)
- 特徴 :
草丈5〜15cmの2年草。
葉は根際に集まり、葉身は倒卵状長楕円形、長さ2〜5cm、幅1〜2cm。先は円く、縁には大きく切れ込んだ鋸歯がある。表面には茎とともにやや硬い毛がある。
花は花茎の先に総状花序にまばらにつき、白色でやや紅紫色を帯び、長さ0.7〜1cm。花冠の基部は筒状、先は唇形、上唇は卵形で浅く2裂し、長さは下唇の半分程度、下唇は3裂する。萼は杯状で粗い毛が生え、5深裂し、裂片は三角状卵形。
果実(刮ハ)は扁球形で萼に包まれる。
- 分布・生育地 :
九州(南部)〜沖縄 (国外:台湾、ニューギニア) 山地の渓流の岩上
- 花期 : (3-)4〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2007年6月9日 鹿児島県奄美大島 中上・全体2 2005年5月3日 同 上 中中・全体3 2017年3月17日 沖縄県国頭郡 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花 同 上 左下・果実 2017年4月10日 同 上 右・葉 2017年3月17日 同 上
- 撮影記 :
GWの奄美大島にはあこがれのアマミスミレが咲きくと知っていたが、やっと撮影に出かけることができた。
その時、現地で偶然であった東京の花仲間にこの花を教えられた。図鑑にもほとんど花の写真が掲載されることもなく、こんな花があることを初めて知った。
原生林内を流れる深い谷に降り、滑り易い岩上を気をつけて進むと、コケタンポポやヒメタムラソウなどの渓流植物が見られ、その中にわずか1花だけであるがこの花が咲いていた。(中上の写真でまわりに見える細い葉はコケタンポポ)
近くにはこれまた特産種のアマミカタバミも咲いていて、初めての出会いに大喜びした。
2007年再度訪れ、今度は10cmくらい花茎を伸ばした想像通りのこの花らしい株に出会えた。
別の花仲間から「沖縄にも分布しているが九州の花とは少し違う」という話を聞き、沖縄の花も何とか見たいと思っていた。
その後、沖縄でもやっとこの花に出会った。それほど極端な違いは感じなかったが、自生地の環境は渓流沿いの岩上ではなく、山道の法面や道端の土の上に咲いていて、その点は大きく異なると思った。
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