ヤビツギンラン(ヤビツ銀蘭)

Cephalanthera erectra f. pelorica


ヤビツギンラン1

  • 科名・属名 : ラン科 キンラン属

  • 特徴 :
     草丈5〜40cmの多年草。
     葉は互生、3〜6個つき、葉身は長卵形〜狭長楕円形、長さ3〜9cm、幅1〜4cm。先は鋭頭で3〜5脈あり、質は紙質で、無毛。
     花は茎頂に数個つき、白色。側花弁、唇弁が背萼片化し、広披針形でほぼ同形、長さ7〜9mm、幅2〜3mm。仮雄しべは5個。柱頭は蕊柱のより頂端に近い位置につき、蕊柱の先端の背部が肥大する。
     ギンランの品種で、側花弁や唇弁が背萼片と同形になったもので(ペロリアへ変異体という)、そのほか蕊柱の先が肥大するなどの違いがある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜四国 (国外:朝鮮)
     林下

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2000年5月10日  東京都八王子市
     中上・全体2 2020年6月2日  山梨県南都留郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2000年5月10日  東京都八王子市
     左下・花 2020年6月2日  山梨県南都留郡
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     多摩丘陵で初めてこの花を見たとき、距のないギンランとして、当時知られていたクゲヌマランとしていた。
     しかし図鑑の記述から、クゲヌマランは海岸近くの松林に生育すると書かれていたので、海から離れたこんな雑木林の下に生えるのだろうと思っていた。
     2020年、この花がギンランの側花弁や唇弁が背萼片化するペロリア化した品種として発表され、やっと納得することができた。
     ペロリア化はキンランでも知られ、ツクバキンランとされている。
     なお、和名はこの花が見つかった神奈川県のヤビツ峠からつけられている。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
ヤビツギンラン2

花序

花