キバナアノアツモリソウ(黄花之敦盛草)

Cypripedium yatabeanum


キバナアノアツモリソウ1

  • 科名・属名 : ラン科 アツモリソウ属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     地下茎は細長く、横に這い、節々から根を出す。
     茎は直立し、葉・子房などとともに腺毛が生える。
     葉は互生するが接近して着くため対生に見え、葉身は広楕円形、長さ10〜15cm、幅4〜10cm。先は鋭形、葉柄はない。
     花は茎頂に普通1個、横向きにつき、淡黄緑色で、径2〜3cm。背萼片は広卵形、長さ2〜2.5cm、外側は白色、内側は淡緑色の地に斑紋のあるものが多い。側萼片は合着し、楕円形、長さ約1.5cm、先端は2裂し、外側は白くない。側花弁は斜卵形、先端はへら形で一度括れやや肉厚の円頭となり、基部内面に密に毛がある。唇弁は袋状で広く開口し、側花弁とともに茶褐色の斑点がある。唇弁のこの斑点の模様は花ごとに少しずつ異なる。

  • 分布・生育地 :
     本州(東北地方南部〜中部地方)〜北海道 (国外:カムチャッカ半島、アリューシャン列島〜アラスカ)
     草原、落葉樹林下

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1985年6月23日  山梨県中巨摩郡
     中上・全体2 1983年6月26日    同  上
     中中・全体3(群生) 1979年6月24日    同  上
     中下・全体4 1986年6月28日  北海道崕山
     (上〜中下は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・花1 1977年7月3日  山梨県中巨摩郡
     右上・花2(1茎2花) 1973年6月26日    同  上
     右下・葉 1972年6月27日    同  上

  • 撮影記 :
     山梨県のある山の草原、草原やカラマツ林の下にこの花が群生していた。
     ホテイアツモリソウは乱獲されて少なくなっていたものの、この花は中中の写真のようにまだ群生が見られた。
     花は唇弁の模様がどの花を見ても少しずつ異なり、まるで名札のようで見ていて飽きない。
     中には右上の写真のように1茎2花のものもあった。
     この時期、林下にはイチヨウランヒメムヨウランコケイランなどのラン類が多く、何度か撮影に通った。
     最近、林道が奥まで入り、この花も極端に激減したと聞いた。嘆かわしいことだ。
     北海道の山でも少数の株を見たが、全体的にはかなり少ない種である。

  • 花2(1茎2花)

    葉

    同じ科の仲間の花
キバナアノアツモリソウ2

キバナアノアツモリソウ3(群生)

キバナアノアツモリソウ4

花1